アパート建築の本当の効果
相続対策によくあるアパート建築の闇
皆さんは「大地主も3代続けばただの人」と同じようなことって耳にしたことはありませんか?
今回は1億円の価値のある駐車場をハウスメーカーから提案を受けアパートを建築する地主さんを題材にしてみました。
地主さんは相続対策に良いと聞き、アパート建築を行うことに。
ハウスメーカーから建築費用は1億円で建築後の利回りは10%との謳い文句で説明を受けました。
この利回り10%とは「建築費用に対して」とのこと。
つまり、1億円の10%である1,000万円が家賃収入です。
また、メーカは相続税の節税効果を次のように謳っています。
まずは建物についてですが、
1億円の建物の40~60%が固定資産税の評価額になります。
相続税の計算では建物の評価は「固定資産税評価額」です。
仮に50%だとすると1億円×50%=5,000万円。
さらに自宅ではなく、人に貸す為、「貸家」となり相続税の計算上では3,500万円となります。
つまり1億円の評価が3,500万円になるので6,500万円の評価の引き下げです。
次に土地ですが、
駐車場の時点で1億円の評価です。
アパートが建つと「貸家建付地」となり、借地権割合が60%の地域であれば8,200万円となります。
つまり1億円の評価が8,200万円になり1,800万円の評価の引き下げです。
ここまでがハウスメーカーのいう相続税の評価の引き下げです。
ここで大事な指標の1つにアパートから得られる収入があります。
先程、アパートの建築費用の10%の1,000万円が家賃収入とありましたが、こちらは稼ぎ出せるMAXの数字です。
空室が無く経費が無い状態の収入額です。
ちなみにこの稼ぎ出せるMAXの数字を【総潜在収入】といいます。
投資用の不動産を分析する際には総潜在収入だけをみるなんてことはしません。
空室の損失や経費を引いた【営業純利益】を確認することが重要です。
空室の損失は立地や設定賃料にもよりますが、新築の場合、よほど悪い立地等でなければ総潜在収入の5%で計算することが多いです。
なのでここでは、1,000万円×5%で50万円とします。
経費は固定資産税や火災保険、管理会社への支払い費用、点検料等、年間必ずかかる費用のことを言い【運営費】といいます。
この運営費は木造の場合、総潜在収入に対し15~17%程度です。
今回は新築なので15%とし1,000万円×15%で150万円とします。
よって
総潜在収入1,000万円から空室損失50万円、運営費150万円を引いた800万円が営業純利益となります。
ここでハウスメーカーの説明をおさらいします。
もともと駐車場だった土地1億円+1億円かけて建物を建築します。
相続税の評価として土地が3,500万円+建物が8,200万円の合計1億1,700万円が評価額になります。
土地建物の合計2億円から引き下がった8,300万に相続税の実効税率を掛けた額が相続税の節税だとハウスメーカーは言います。
例えば実効税率が30%の人なら8,300万円×30%=2,490万円が節税効果ということです。
大きな金額になる為、ほとんどの地主さんがこの説明を鵜呑みにしています。
ですが、不動産の価値は売却時にいくらになるか?が重要です。
1億円の価値のある土地に1億円をかけて建築したアパートがいくらで売れるか?
仮に2億円で売れるのであれば相続税の節税という観点では良いかもしれません。
ですが、アパートのような収益不動産は投資した費用が回収できるとは限らず、【営業純利益÷相場の利回り】で価値が決まります。
今回の営業純利益は800万円なので、相場の利回りが7%だとすると、
800万円÷7%=1億1,429万円です。。。
2億円だった資産がやった瞬間、1億1,429万円になり、8,571万円も損をするんです。
先程は相続税の評価が8,300万円引き下がるとありましたが、この8,571万円は丸々全額損しています。
とんでもない金額ですよ。。。
さらに、相続税の評価はどうなるかというと、土地+建物で1億1,700万円でしたので、271万円も相続税評価の方が高いのです。
あなたは『時価よりも相続税評価の方が高い』この状況を”節税”だと思いますか?
相続税の節税対策で重要なポイントの1つに【時価と評価の乖離をつくる】がありますが、
【 時価 < 評価 】ではなく、【 時価 > 評価 】にすることが相続対策です。
このことを知らずにアパートを建築する地主さんはとっても多いので注意してください。
アパート建築を検討中の方、相続税対策が大失敗する前にセカンドオピニオンとしてお声掛けください。




